みなさんこんにちは、まろんです。
今回は、最近話題の『植物肉』について、徹底的に解明していきます!!
- 『植物肉』ってなに?『培養肉』との違いは??
- そもそもなんで『植物肉』が必要なの?
- 『植物肉』のメリット・デメリット
- 『植物肉』(代替肉)の5段階分類について。現在はどの段階?
- 『植物肉』の今後の展望
YouTubeでも植物肉のすべてをわかりやすく解説しています!
またこちらの記事でも、代替肉(培養肉+植物肉)についてわかりやすくまとめているので、合わせてご覧ください。
筆者の【植物肉実食レポート】は以下の記事をご覧ください!
それでは早速、解説していきましょう!
*この記事では、以下の文献を参考にしています
- 2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ ピーター・ディアマンディス 他 著
- フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義
- 培養⾁⽣産技術の課題と今後の展開 三井物産戦略研究所
- 代替肉と培養肉に関する調査研究 川島啓・五十嵐美香(一般社団法人日本経済研究所)
『植物肉』ってそもそも何??
植物肉とは
植物肉とは、名前の通り野菜や果物、豆、ナッツ、種子といった植物性原料から作りだれるもの総称です。主に大豆などのたんぱく質等を多く含む植物を加熱調理、加工して肉形状にして生産する肉」の事を指します。
肉の聖地アメリカを中心に、植物肉は現在2020年時点で大きな盛り上がりを見せており、代替肉参入企業は、2018年当時と比較して100社以上も急増しています。
また、日本企業も最近では積極的な植物肉業界への参加を見せています。
「丸太食品」や「大塚食品」、また「モスバーガー」や「フレッシュネスバーガー」などの飲食店業界などでも、植物肉由来の商品が販売されるようになっています。
最近では、小売り最大手「イオン」が植物肉市場への取り組みを拡大していることが話題になりましたね。既に食べたことがある方もいるかもしれません。
https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/18/00418/00008/
ちなみに植物には、私たちに必要なあるエネルギーを生成する能力が備わっています。
それは、私たちのエネルギーの源、炭水化物(糖類)です。
植物は、光合成により炭水化物を生成する能力を備えており、太陽光による光合成は、この炭水化物を生成する唯一の方法なのです!
この能力が植物に備わっているからこそ、食物連鎖が成り立ち、私たちが食べる穀物などに豊富なエネルギー源が蓄えられているのです。
培養肉とは
培養肉とは、「人工的に細胞を培養する事で生産された肉」のことです。
細胞採取以外では、牛などの家畜を用いることなく人工的に肉を生産する事が可能です。
つまり、食用肉を生産する為に、大量の牛・豚・鶏などを殺す必要がなくなり、それに伴い、肉の生産にかかる費用やや土地、水や二酸化炭素排出などの環境への影響などの大幅な削減が期待出来ます。
そもそも何故『植物肉』が必要なの?
ではなぜ、この植物肉を始めとした代替肉市場が近年盛り上がりを見せているのでしょうか?
その答えは、次の一つの問いに集約されます。
どうやって、世界100億人の胃袋を満たすのか?
2050年、世界人口は19年の77億人から急増し、97億人に達するという国際連合が予測しています。
また、以下の様に述べている文献もあります。
現在の食肉供給を支えている畜産の実態の問題点は大きく2つにわけられます。
環境問題
地球上の居住可能地域の約半数が農地であり、そのうちの大部分(約80%)が牧畜として利用されています。
さらにこれは、地球上の利用可能な土地の25%を占めています。
また、現在の食肉生産工程は、環境への影響も非常に大きいです。
食肉生産には、世界の水使用量の70%が使われています。また、温室効果ガスの排出量の14.5%を占めており、森林破壊の主な原因となっています。
例えば、水の消費量について詳しく見てみましょう。
地球上で暮らす人間全体では、1日に水200億リットルを消費するのに対して、地球上にいる家畜としての牛15億頭は、一日に700億リットルの水を消費します。
しかし、大豆の生産時の水使用量は、家畜(牛肉)に比べて8分の1にまで減少するとの研究結果が「東海大学生産技術研究所 沖研究室」から出ています。
すなわち、現在の家畜による食肉生産を続けていると、将来的に必要な食肉量に土地・水・環境問題等が対応出来なくなるのは必至といえます。
従って、植物肉や培養肉といった新たな食肉の生産技術が注目されているわけです。
家畜の「品種改良」問題
皆さんは、「家畜」や「牧畜」と聞いて、どんな景色を思い浮かべますか?
上の写真のような「広大な土地でのんびりと過ごす牛たち」を想像したのではないでしょうか?
しかし現実は全くそうではありません。
先述した様に、地球上の農地はもう限界に達しています。その中で増え続ける人々の胃袋を満たすために、牛・豚・鶏は狭い土地、養豚養鶏上内でひしめき合って育てられています。
更に問題視されているのが、出来るだけ早く食肉として出荷する為の「品種改良」といわれるものです。
つまり、構成物質やビタミン剤を使って自然界ではあり得ないスピードで体を成長させ、食肉用に出荷するということです。
こうした無理のある家畜の在り方は、感染症を発生させるリスクもはらんでいます。豚熱や鳥インフルエンザがその代表と言えます。
また、こうした家畜の在り方は倫理的にも批判されており、動物愛護の観点からも考え直さなければいけない問題であることは間違いないでしょう。
『植物肉』のメリット・デメリット
メリット
- 培養肉に比べて生産工程が容易
- 家畜の肉に比べて、コレステロール値や内臓脂肪、中性脂肪を低減させる
- 既に市販されている
- 環境への負荷が大幅に減る
培養肉と比較して、植物肉の生産工程はシンプルで容易です。植物に既に含まれている栄養素を加工・調理して生産する為、栄養素を培養液といて作り出す培養肉と比べて容易に生産する事が出来ます。
それに伴って、生産コストも大幅に削減出来るため、植物肉は既に市販化が実現しており、アメリカの多くのレストランや中国のスターバックスなどで販売されています。
また、先述した通り日本でも「フレッシュネスバーガー」や「モスバーガー」などの飲食店、「イオン」などのスーパーマーケット、「丸太食品」や「大塚食品」などの国内企業などが植物肉を使用した商品の販売を実施しています。
環境への影響に関しては、土地・水・温室効果ガス(二酸化炭素)、電気の使用量の大幅な削減が見込まれ、地球温暖化の改善に大きく寄与するでしょう。
デメリット
- 大豆由を中心とする植物由来の食料調達において、気候の変動が安定供給に影響する
- 大豆の生成から食肉としての生産まで、1~2年かかる
- 現状は、チキンナゲットやハンバーグのみの販売に留まっている(一部では焼肉用などの薄切り肉の販売も開始)
植物肉は文字通り、大豆などを中心とする植物を元に肉の生産を行う。その為、国や地域、土地の気候の影響を受けやすく、生産を行う場所に一部制限があります。
また、植物肉は既に市販化されていますが、現状はチキンナゲットやハンバーグなどの加工しやすい肉の生産に留まっています。
植物肉(代替肉)の『5段階分類』について
*参考:フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義
ここで、代替肉の進化を5段階で分類してみよう!
この段階分けは、「培養肉が本物の肉にどれだけ近づいたか」を軸に構成されている。
これを見れば、代替肉のこれまでの進化と、現在どこまで進んでいるのかが一目瞭然です。
現在流通している植物肉は、上図の「レベル4:肉と同じ調理~体験」に該当します。即ち既に、植物肉は本物の肉と同等の味わいや香り、食感を実現しています。
更に今後は、「レベル5:肉以上の機能性」を兼ね備えた代替肉が登場してくるでしょう。
本物の肉を上回る肉。技術の進歩は本当に凄まじいですね。
植物肉の今後の展望
植物肉・培養肉共に、今後さらなる研究開発が進めば、人口増加や環境問題の対策に大きく寄与する事は間違いないでしょう!
現状、課題も多く残ってはいるが、様々な大企業の参入や、代替肉に関する規制の確立が加速しており、味や安心安全を重視する消費者の需要性も徐々に高まっていくと考えられます。
筆者の【植物肉実食レポート】は以下の記事をご覧ください。
私たちの食卓に、当たり前の様に代替肉が並び、必要な栄養素を必要な分だけ摂取する事が出来る未来も、そう遠くないかもしれませんね!
こちらの記事でも、代替肉(培養肉+植物肉)についてわかりやすくまとめているので、合わせてご覧ください!